石林(シーリン)三国志

ゆめ

チクタクチクタクの音。
これは夢だと思いつつうとうと
として目が覚めた。

「なにこれ?どこ?」
体が重い。よく見ると
瞳は鎧に兜をかぶっていた。

手には長刀槍を持っている。
誰かが床についている。
周りを数人の鎧武者が取り囲んでいる。

床の人が死に掛けているみたいだ。
そっと武人の股下から覗いてみる。
眉の太いやつれた将軍が死に掛けている。

周りの武人達は耐え切れずに泣き始めた。
薄目を開けた将軍は最後の力を振り絞って
右手を動かした。

「誰かこの石を」
そうつぶやいて床の端から右手のひらを開いた。
甲の下から青い石がすっと床に落ちる。

誰も気付かず、皆号泣している。
股下から這い進んだ瞳がその石を
さっと拾いうけた。そこで目が覚めた。

『え、うそ?右手に何かを握り締めている感じ。
まちがいない、あの石だわ』
そっと開けてみると、あの青く輝く石だった。
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