森田当麻の奇妙事件簿2
彼の過去
5
録音機を母親に渡すと、母親は顔を青ざめ涙を流していた。
その姿にすこし心が痛んだが、『仕方ないことだ』と当麻はあっさりしている。
探偵社に戻ると、日向と財津が楽しそうに話していた。
そこに入ってくるタイミングを間違えた当麻と優衣。
「あ!お兄ちゃんと優衣ちゃん。お帰り」
日向がニッコリ笑う。
「ど、どうも……」
「お前ら、人の会社でいちゃつくな。気持ち悪い」
「いちゃついてないだろ。当麻って本当、妹溺愛だよな」
ニヤニヤしながら言う財津に当麻がにらみをきかせる。