森田当麻の奇妙事件簿2
「やめてよ。財津さん。気持ち悪いから」
日向が両腕をさすりながら、顔をひきつらせる。
「溺愛なんかしてるわけないだろ。変な勘違いするな。こいつなんかいない方が静かでいい」
「あー。お兄ちゃん。それ以上言ったら、アイスあげないからね。せっかく、お兄ちゃんの大好きなソーダ味、買ってきたのに」
その瞬間、犬のように当麻が素直になる。
「俺が悪かった!だからアイスを……」
「はいはい。優衣ちゃんもどう?」
「あ!いえ。私は……」
なんだか疎外感を感じて、帰る支度をしていた優衣に日向がアイスを差し出す。