森田当麻の奇妙事件簿2

「最初は驚いたよ……。いくら自分の両親を……殺した犯人を探すためって言っても、きっと森田には無理だと思った」

高校時代から知ってる。

当麻の人と関わることを避け、感情のない濁った瞳。

いつも哀しそうな顔をしているくせに、人に絶対助けを求めない。

それだけ辛く、悲しかったんだ。

大切な人を失った過去は――。

「でも、現代の明智小五郎なんて言われるまでに活躍してるし。杞憂だったのかもな。俺の思ってること」

財津の言葉に当麻がフッと笑った。

影がさす、当麻の瞳。






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