森田当麻の奇妙事件簿2
第3章
安藤会
1
「はぁ……」
富山はハンドルの上に顎をのせ、ため息を吐いた。
時刻はまもなく、7時半。
昼食も夜食も食べてないため、お腹は空腹状態だ。
安藤会には正直いって、乗り込みたくない。
山中さんがいると思ったから、皆藤刑事に付いてきたのに……。
「なに、ため息なんか吐いてやがるんだよ」
皆藤が白いビニール袋を抱えて、助手席のドアを開けた。
「ため息なんて吐いてませんよ」
「そんなに優衣ちゃんがいないのが寂しいのか?」
皆藤がニヤニヤしながら、富山をみる。