森田当麻の奇妙事件簿2

「ったく……。仕方ねえな」

皆藤も嫌々という風に、カツラを被る。

カツラの髪が肩の下まであり、皆藤が「これ、ロン毛かよ!!」と後部座席を振り返った。

「おい!当麻!どういうカツラのチョイスしてんだよ!!」

「似合ってますよ。ロン毛の皆藤刑事、素敵です」

ニッコリ気味の悪い笑みを浮かべて、拍手する当麻に皆藤が「あーくそっ!」と首筋にかかったカツラの髪を払う。

「財津と話してたんですよ。皆藤刑事にはロン毛が似合うって」

「財津……って、懐かしいな。あいつも、もう立派な板前だろ」

皆藤がすこし顔をほころばせた。


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