森田当麻の奇妙事件簿2

これが、財津との出逢いだった――。

「……なんだ」

「立てねーんだろ。手、貸すよ」

「いい」

それでも無理に立とうとする当麻の手を無理矢理、財津が握って立たせる。

財津が、俺の初めて心を開いた奴だったのかもしれない。

そのとき、当麻の頭をハンマーで打ったような痛みが走った。

そのまま頭を抑えて、崩れ落ちる。



< 203 / 250 >

この作品をシェア

pagetop