森田当麻の奇妙事件簿2
「現に、演劇で使った小物の中を探しても、この遺書だけは見つかりませんでしたから、これは確実でしょう。そして、自殺に見せかけて殺人。」
「……すごい。さすが探偵さん」
飛鳥が顔を輝かせて、拍手する。
なぜこんなに余裕なのか。
その余裕すぎる態度に、皆藤は恐怖をおぼえた。
「……でも社長。留衣さんは幽霊なんて信じてなかったんですよね。この殺人は、留衣さんが幽霊を信じたからできたこと……。偶然だったんですか?」
そう。留衣は幽霊なんて信じてなかった。
優衣の言うとおり、この事件は留衣が幽霊を信じてないと、できなかった。
「偶然じゃないよ。」
当麻が涼しげな顔で答えた。