ずっと前から片思い
『っ!
で、でも彼女がいるって』

「…?」

『え?』

「ごめん。
いつの話?」

『えっ?
ずっと好きな人がいるって…。』

「あぁー。」

『やっぱり好きな人いたの…?』

「…。」

うぅー。
期待してたぶん悲しくなってきた。

気づいたら涙があふれてきていた。

「はぁー。
わかったから
泣くなって」

『うぅっ…ヒクッ』

いつまでも泣き止まない私にしびれを切らしたのか藜に抱きしめられた。

「おまえ」

『えっ?』

「好きな人。
ずっと前から片思い。」

しばらく意味がわからなかったけど
意味がわかった瞬間もっと涙が溢れてきた。

「なんで好きな人から彼女になったんだよ」

『っ!
デート、してたの見たから。
綺麗な人』

「…?
いつの話?」

『2年前』

「デートなんかした覚えねぇけど…
特徴は?」

『栗色の髪でショート。
背が高くて綺麗な顔だった。』

「…。
それ、俺の親じゃね?」

『はっ!?』

「それしか心当たりねぇし」

『…。
私藜のお母さんに嫉妬してたの!?』

「へぇ。
嫉妬、してくれたんだ?」

『っ!?』
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