岡本くんの愛し方
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「…ちーひろくんっ!」
「何?」
食器も洗い終わってソファで本を読んでる千尋くんの隣に座る。
「あの…付き合ったじゃないですか」
うわぁ、口に出すと恥ずかしすぎる…っ
「うん、そうだね」
相変わらず視線は本のままだけど、
どちらかというとそっちの方が私的にも安心する。
「それで、連絡先交換したいな〜なんて…」
横目でチラッと千尋くんを見ると、
千尋くんも私の方を見ててすぐに逸らしてしまった。
「……珍しい」
「え?何が?」
「いや、なんでもない…。
連絡先でしょ、いいよ」
ポケットから携帯を取り出して電話番号だけ交換する。
…ん?電話番号だけ?
「千尋くん、メールアドレスとかは?」
「俺的には不必要だと思ってるんだけど」
「えぇ!?」
なんでなんで!?
メールなんて現代社会においてひとつのコミュニケーションツールであって(以下略)
「前にも言ったよね、文章なんて作れるって」
言ってたね…。
千尋くんのことを知らない人がメールで
〝やっほー☆〟ってやられたら
千尋くんを明るい人だと思うっていう。
「それと一緒だよ。
文章で〝大丈夫だよ!〟なんて言ったって、
本心じゃない可能性があるでしょ?
すずはやりそうだし。」
…………もしかして、私の事考えてくれてるの?