岡本くんの愛し方









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次の日の朝、日曜日なのに、私はお母さんからの電話で起きた。




「んん〜おはよう、お母さん」




『おはよう、すず♡
千尋くんとはどう?仲良くなれた?』




仲良くなれたっていうか、それ以上だよ。




「なれたよ。それで、どうしたの?」




『そうそう!帰国がね、2週間早まったのよ〜!
だから2週間後の今日に帰国します♪』




「本当!?」




……お母さんが帰ってきてくれる事は、素直に嬉しい。




でも、その反面、なんだか悲しくなってくる。




『今から荷物まとめておいてね!』




「分かった…バイバイ!」




電話を切って布団から出て、部屋を見渡す。




ここも、あと2週間でお別れかぁ……寂しいな。




私はタンスの中にしまってたダンボールをとりあえず出した。




コンコン-…




突然そんな音が聞こえて、まさかと思って扉の方を見ると、ドアがゆっくりと開けられてルームウェア姿の千尋くんが顔を出した。




「…朝から騒がしいんだけど」




「ごめんね!」




「………何…そのダンボール」




千尋くんはそう言って部屋の中に入ってきた。









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