岡本くんの愛し方
「…もし私が自分の家に戻っても、
学校以外で会ってくれる?」
「何、当たり前なこと聞いてるの」
そう言って、ギュッと抱きしめてくれる千尋くん。
あ、私、千尋くんに抱きしめられるとものすごく安心する…。
「…うん」
「昨日突然悲しそうな表情をしたのは、
寂しくなったから?」
「え゛っ゛…」
図星を突かれて、色気のない声が出てしまった。
「そうならそうと言ってくれれば良かったのに」
「もし言ったら、何をしてくれたの?」
「…安心するまで抱きしめててあげるよ」
それは、いいかもしれないです。
「…寂しい」
「うん」
さっきよりも一層強くぎゅうっと抱きしめられて、私も抱きしめ返す。
今日初めて、千尋くんとキスをしました。
初めてのキス。