岡本くんの愛し方
「すず、お久しぶり!」
教室に入ってすぐ、雅ちゃんに声をかけられたので取り敢えず怒った表情をしてみた。
「雅ちゃんのお家でお泊りしてたかと思ったら、朝起きたら自分の部屋にいて、ビックリしたんだからね!」
そう言うと、ごめんごめん!と申し訳なさそうにいうので許してしまった(単純)。
「園田先輩、どうなった?」
「今日、学校が終わったら迎に来てくれて、
それで返事欲しいって言ってた…」
「そっか…でも、もう決まってるんでしょ?」
雅ちゃんにそう言われて、頷いた。
告白が勇気の必要なことなのは知ってた。
漫画でも見てたし、友達からも聞いてたから。
でも、振ることにも勇気が必要なのは初めて知った。
「…はぁ〜」
「……大丈夫よ、園田先輩だけど…多分先輩も分かってるはずだから」
分かってる…?
何が分かってるの?と聞こうとしたところで丁度チャイムが鳴ってしまい、先生が入ってきたので話はそこで終わってしまった。