岡本くんの愛し方
「…はぁ、岡本に負けるなんて屈辱だなあ」
「え…?」
私、好きな人の名前出してないよね?
園田先輩…なんで知ってるの?
「薄々勘づいてはいたよ。
すずちゃんって岡本の事好きなんだな、って。
でも、俺も本気になったの初めてだったんだ。
だから、諦めきれなかったんだけど…」
分かり易い、のかな?
「でもちゃんとハッキリ言ってくれて良かった。ありがとうね、すずちゃん」
「私こそ、ありがとうございます!」
園田先輩はそれじゃあね、と言って
空き教室から出ていこうとして動きが止まった。
「岡本に泣かされたら俺のとこ来なよ?」
そう、クスクスと笑って、手を振って……
今度こそ本当に去って行った。
園田先輩、ありがとうございます…。