岡本くんの愛し方
お料理は私の仕事。
大体荷物が片付いて、夕方の4時になった。
「岡本くーん、終わったよ」
そう言いながらリビングに行くと、岡本くんはソファで本を読んでいた。
うわ…なんか絵になるなあ。
「あっそう。でさ、部屋は貸すけどその分何か返してくれるよね?」
もちろん、と言いたげな表情で私を見てくる岡本くんに何も言えずに、頷いてしまった。
無理だって…なんか逆らったら怖いもん。
「…料理、出来る?」
「うん、料理は得意分野だから!」
自慢げにそう言うと、パタンと本を閉じて突然部屋に行ったと思いきや、財布と携帯を持って いくよ なんて言い出したから、意味が分からない。