青空の下で
「いや、ほんとだよ!
家族、あたし以外は全員そうだし、花粉症ってうつるもんらしいし。
ついになっちゃったんだよー。
想像以上にきつくて、保健室行ったら休ませてくれてさ!
心配させてごめんね?」
もちろん、全部うそ。
家族がみんな花粉症っていうのは本当だけど。
だからこそ、花粉症がどういうものなのかよく知ってたし、わざとポケットティッシュをポケットから見えるようにしてる。
そしたら信じたみたいで、ホッとため息をついた。
「もー、せめて一言言ってよね。
まぁ、係違うから一時間目出てないって知ったの、龍くんに聞かれたからなんだけどさ。」
・・・ん?
今由香、龍くんに聞かれたから・・・って。
「・・・龍が?由香に、言ったの?」
「うん、そーだよ?「木下さん、琴奈知らない!?係会ん時いなかったんだけど」って。
かなり焦ってたよー友達思いなんだね!!」
・・・違う、違うよ由香。
あたしと龍は、もう友達なんかじゃない。
なんで焦っていたのかはわからないけど、
なんでわざわざ由香に聞いたのかは謎だけど、
もう、友達でも何でもないんだよ__