青空の下で



やめてよ。





姿を見るだけで、あきらめるなんて到底無理なことのように思える。







・・・だめ、それじゃだめなんだってば・・・。











これ以上目が合い続けたら、もっと好きになる。

絶対に諦められなくなる・・・!!








「・・・用件はなに?はやくしてよね。」









一応目をそらしながら、冷たく言う。





急に手を引かれて、屋上までつれてこられた。



つかまれた部分が異常に熱くて・・・あぁ、好きなんだなと感じてしまった。










「今週末の試合、お前も来んの?」





友達だったときと変わらぬ声音に、思わず驚く。





・・・なんで?


あたし、あんなにひどいこと言ったのに。



優しすぎるんだよ、馬鹿。








それともなんだろう。


由香が来るから嬉しくて、ついそんな声になっちゃったとか?





あぁ、きっとそれだ。

それしかない。










「・・・行くよ。
別にいいよね?


可愛い可愛い親友のたのみだから。

大丈夫、ほとんど試合みないと思うし。」






『親友』の部分を強調して言う。





もちろん・・・試合みない、なんてうそだ。






気持ちに気づいてしまった原因をみてしまったら、もっと好きになりそうで怖いけど・・・










絶対に、自然とみてしまうから。
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