青空の下で
・・・まぁ、今はそんなことどうでもいい。
それよりも。
「え、な、んで?」
「それも、全部。ゴールしたら言う。
だから、絶対見に来い。」
「・・・うん、分かった。」
「よし!んじゃ、引き止めて悪かったな。」
龍は、屋上を走って出て行った。
そして、それから気づく。
(あ・・・口調、戻ってたな・・・)
あいつといると、調子狂う。
なんていうか、嘘つけなくなるんだよな。
けど落ち着く。
声を聞いてるだけで、安心できる感じ。
不思議だよね、恋って。
ちょっとしたことで一喜一憂して・・・、
だけど、疲れないんだ。むしろ楽しい。
あたしの場合はそうでもなかったけど・・・辛いことばかりじゃなかった。
少なからず、『楽しい』と思ったことはある。
あたしの背中を押すように、さわやかな風が吹いた。