その瞳に映りませんように
0.4
うーわ。風邪ひいた。
『ごめん、熱出ちゃって今日行けなさそう。チケ代後で返すから』
今日は土曜日。
映画に行く予定だった友達グループにラインでメッセージを送っておいた。
『実はもう一人男子誘ってあったから気にしないで! お大事にね』
良かった。
チケ代は問題なし、っと。
スマホを枕元に置き、天井を眺める。
――ん?
その男子たちはクラスでも人気のあるイケメングループ。
友達があの中の誰かを狙ってるんだっけ。
あのグループと合コンみたいなことしたいねー、って言ってたし。
私の代わりに男子が1人追加ってことは、これで女子男子3人ずつか。
ってか、これって。
もとから私がお邪魔だったんじゃないの……?
って何てネガティブなこと考えているんだ、自分!
風邪って体だけじゃなく心にもダメージを与えるものなのですね。
ま、別に見たい映画じゃないし、いっかぁ。
嫌なことを考えないようにして、私は2日間ゆっくりと眠りについた。