その瞳に映りませんように



「ハシノさー、最近ユズキくんとよく喋ってるよねー」


「えー、まあ、席前後だし」


「あいつ、ぱっと見カッコ良いんだけどー、目つきがちょっと怖いんだよねー。何か冷めてそうで近づきづらいっていうかー」


「そうかなー。話してみたら割と普通の男子だったよー」 


「あっそう。じゃ、つきあっちゃいなよ! 結婚しちゃいなよ!」


「あははーそれ展開早すぎだしー!」


「あいつの友達イケメン多いし、そん中から誰か紹介してー」


はあ、狙いはそこですか。


確かに、ユズキくんと日々仲良くなっている。


相変わらず視線が合うことは少ないけど、それで良かった。

その分、思う存分見つめることができるから。


私は彼の目が好きだ。


どこか斜に構えているような、プラスの感情を読み取れないような、その目が。




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