トリッパーズ。
壱章
不思議な夢
夢を見ることはしょっちゅうあった。
友達からは変な夢だねとよく言われる。
高橋ヒヨリは高校3年生。
どこにでもいる平凡な女の子だと思う。
今日もいつものように学校から帰る。
「ただいま~」
小さく反響した声に返事はない。
私の家には誰もいない。
リビングに入り、机の上を見る。
「はあ、今日もか…」
制服を脱ぐより先にソファーに転がった。