わたしのイトリくん
そして私は我に返ると、
気になっていたことを聞いてみようと思った。
「イトリくん、大学来てる...?」
湊人くんは少し動揺した表情をし、残念そうに首を横に振った。
「それが、あいつ全然来てなくて...
俺から言っていいのか分からないんですけど、どうやら実家のほうで何かあったみたいなんです」
「実家...?」
湊人くんは神妙な顔つきのまま頷く。
「帰ってきたら話すって言ったっきり連絡もなくて。
さすがに心配になってきたところだったんですよ...」
お姉さん何か聞いてませんかと聞かれ、私も首を振ることしか出来なかった。
実家に帰ってることすら知らなかった...