わたしのイトリくん
混んでいる店内にもかかわらず、
話が少し長くなってしまい湊人くんはオーナーに呼ばれてしまった。
もし良かったら連絡下さいと、
彼は焦ったようにメモにアドレスを走り書きする。
それを受け取り、手帳に挟む。
程なくして他の店員さんが運んできてくれた料理をつまんだ。
イトリくんのことで頭がいっぱいになり、
美味しいはずの料理も味わうことが出来なかった。
食べ終わってから、湊人くんを目で探す。
忙しそうな姿に話し掛けることは出来ず、
美咲さんに声を掛けて今日はもう帰ることにした。