わたしのイトリくん
私はいてもたっても居られなくなり、
乱暴にバスタオルで身体を拭きバスルームを出た。
慌ててTシャツと短パンを着る。
拭ききれていない水気で肌にシャツが張り付き、髪からも雫が滴り気持ち悪い。
けれど。
そんなことはお構いなしに鍵も持たず玄関を飛び出した。
そしてイトリくんの家の前に立ち、焦る気持ちを深呼吸して静める。
意を決してインターホンを押した。
--ピーンポーン
チャイム音が静かな廊下に鳴り響く。
緊張した面持ちで待っていると、少ししてガチャリと控えめにドアが開いた。
「ヒイロさん...?」
ずっと会いたかったイトリくんが
そこに、居た。