わたしのイトリくん
その感情に名前を付けて
どの位の時間が経ったのだろう。
その紙をひたすら見つめる。
床にへたり込んだまま動けなかったが、少しずつその状況を理解していた。
思えば、昨夜のイトリくんの行動や言動がおかしかったことに気付く。
きっと本当は私に会わないまま、
居なくなるつもりだったんじゃないか。
でももしかしたらこの紙は何かの冗談で、
まだ隣の部屋にイトリくんが居るかもしれない。
確かめに行きたいけれど、
確かめに行って本当に居なかったら...
現実として実感せざる負えなくなる。
ここにきてようやく、
イトリくんとの関係が"ただのお隣さん"だったことに気付く。
恋人であったならば、
こんな形でお別れすることはなかったんじゃないか。
-------そんな時、
机に置いてあった携帯が震えた。