わたしのイトリくん
カウンター席に腰を下ろし、
ひと息ついてから近くに居た店員さんにコロナビールとアボカドの生春巻きなど注文する。
お店は以前と変わらず、たくさんのお客さんで賑わっている。
「お待たせいたしました、コロナビールです」
店員のお兄さんがニコリとしながら、
瓶の口にライムが添えられたコロナビールを持って来てくれた。
(あ、この店員さん見慣れない人だ)
「あれ?」
タレ目でオレンジに近い髪色をしたこの青年は
私の顔を見るなり、ジッと凝視してきた。
「お姉さん、どこかで会ったことありませんか?!」