君と。
「外もう暗いなあ……」
腕時計の時間を見たら、もう8時を回っていた。
こんな時間に1人で帰るのは高校に入学してから初めてで、いささか心細かった。
この時間の駅のホームはあまり人がいなく、あたしと他に男子高校生が1人だけだった。
(他校の人だ、部活生かなあ……
毎日こんな時間までいるのかな、大変だ)
なんて思ってチラッとその人の顔を見た時、何かがあたしの頭をよぎった。
(……見たことある?
いや、あたし男子の知り合いほとんどいないし、同じ学校の人ならすぐわかるし。
塾?電車?違うなあ……)
悶々と考えている間に電車が来て、あたしは慌てて扉開閉のボタンを押した。