❇︎*黒猫さんに導かれて*❇︎
「清原せんせぇぇぇぇ♡♡♡」
「清原せんせぇぇ、待ってぇぇぇ!♡」
私の行く道に、桃色の歓声は鳴り止まない。
話に来てくれる生徒達。
その子達を、無視するのは嫌だ。
けれど、これ以上かまってたら
次の授業に遅れちゃう……‼︎
「ごめんね、次の授業があるからっ‼︎」
私は、少しばかりキラキラオーラを出して
微笑んだ。
女子生徒達は
その微笑みで歓声をあげるものもいれば、
最悪、立ち眩みで倒れそうになっていた。
私の笑顔は、そこまで凶器なのだろうか……。
ーーだが、今はそんなコトにかまってられない。
私は、女子生徒達が見えなくなるのを確認して
廊下を走り出した。
腕につけている、
青い腕時計を見てみる。
時間は、授業が始まる
ー30秒前後。
私は、走るスピードを上げた。
ーーーーどん‼︎
廊下の曲がり角。
視界の悪いところで、人とぶつかった。