❇︎*黒猫さんに導かれて*❇︎



ーー今、私のコト、



【お姉さん】ーーって言った?






聞き間違えかな?





********




『ーーそ。じゃね、お姉さん。』





********







ううん。




聞き間違えじゃない。




東君は、私のコトを

お姉さんと………




【女】




として見てくれた。






そんな人と、

私は生まれて初めて出逢った。







ーーー追いかけなくちゃ。




私の身体は、脳が動く前に


野生的本能で動いた。







廊下を真っ直ぐ行った東君の姿が

曲がり角に消えた。




私も、同じ方向へと向かう。





東君はいなかった。






ーーまぁ、いつか逢えるしいいか。




私は、そう考えるが

身体はそう思ってない。





『探さなくちゃ』


って思うのに、



何処かに、隠れようとする私がいる。






私の頭から離れない声。


綺麗な声だった。





私を初めて、初対面で女の子扱いしてくれた人。





私は生涯、



彼のコトを忘れないだろう。






東君。


私は貴方を忘れません。

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