❇︎*黒猫さんに導かれて*❇︎
「えっ、猫?」
私の一言に、皆が反応する。
私の見る方向一点に、視線が集まる光景は
少しばかり
可愛らしく見えた。
「猫ちゃんどこ〜?」
「せんせぇ、猫ちゃんどこいるんですか?」
「いないよぉ〜⁇」
そりゃあ、勿論、いない。
猫なんて、私見てないもん。
ちょっとした、沈黙が嫌で
嘘をついた。
今更、『噓でしたぁ〜〜!』
ーーで、済むとは思えなかった。
だから私は、猫がいるコトにした。
「ほら、あそこ、
あそこに猫がいるよ!
黒い猫が。」