❇︎*黒猫さんに導かれて*❇︎


「えっ、猫?」




私の一言に、皆が反応する。

私の見る方向一点に、視線が集まる光景は


少しばかり
可愛らしく見えた。




「猫ちゃんどこ〜?」


「せんせぇ、猫ちゃんどこいるんですか?」


「いないよぉ〜⁇」





そりゃあ、勿論、いない。



猫なんて、私見てないもん。



ちょっとした、沈黙が嫌で
嘘をついた。


今更、『噓でしたぁ〜〜!』

ーーで、済むとは思えなかった。



だから私は、猫がいるコトにした。



「ほら、あそこ、
あそこに猫がいるよ!





黒い猫が。」




< 17 / 21 >

この作品をシェア

pagetop