❇︎*黒猫さんに導かれて*❇︎
鈴木さんと話しながら、
私達は職員室に向かう。
さすがに、学年主任の鈴木さんがいる前では
誰も私には近づかず、
それぞれの教室へと向かって行った。
「まだ、授業も始まってないのに、清原先生は朝から苦労しますね〜。」
穏やかな口調で、私には優しく語りかけてくれる鈴木さん。
その口調は、やっぱりお爺ちゃんみたいで
なんでも話してしまいそうになる。
「そうですね……、学校は、今 始まったばかりだと言うのに、私はもう疲れちゃいました……。」
「まぁ、そう言わず、頑張ってくださいよ!
王様♪」
「鈴木さんも“ソレ”知ってたんですか⁉︎」
「うん、知ってたよ〜♪」
お爺ちゃんに……
ーーじゃなくて、鈴木さんに、
私が生徒たちに言われているあだ名を知られていたのは少しばかり、恥ずかしい感じがした。
【王様】
それが、
私の、学校でのあだ名。
【清原 里美】(きよはら さとみ)に続く、
第二の名前。