ふたりだけの秘密を
私が、教室であの変な質問してきた男の子の去っていく姿を、ボーッと見ていると、

「あれっ‼」

私はあることに気がついた。

「昨日買った、新作の小説が…ないっ‼?」

どっかに落とした‼

どうしよう、あの小説、結構、人に見られたらいたいって思われちゃう。

私は、次が授業なのにも関わらず、教室を飛び出していった。

「どうしよう、どこにもない。」

昼休みに、図書館に行って、そのあとは…

「屋上だ。」

私は、授業中で、誰もいない新鮮な図書館を、

名残惜しくもあとにして、

屋上へ向かった。

静かな廊下。やっぱり、こーいった非日常的なのは結構好き。

そんなことを考えているうちに、

屋上についてしまった。


「ん、探さなきゃ。」

私は、急いで、本を探し始める。

後は、ここだけだから。

柵の辺りを探し回る。

「ない、ない、ここにもない?」

うそ、もしかして、誰かが、

「持っていかれちゃったのかな。」

どうしよう、

すると、突然頭上から、

「お前の探し物ってこれか?」

「へっ?」

私は、、屋上の高台をみる。そこには、

「島崎君!?」

そこには、クラスの人気者の島崎遥君が、寝転んで、私を見下ろしていた。

「あれ、俺のこと知ってたんだ、東雲凛ちゃん」

「当たり前ですよ‼クラスの人気者くら…え?」

「ん?」

「どうして私の名前知ってるんですか!?」

人気者の男の子に名前覚えてもらえるなんて。

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