明日の僕らは
「間宮くん、今日は…何日だっけ」
視線がまだ定まらないまま、ぼーっとして。
おもむろに指をさしたその先には、壁掛けのカレンダーがあった。
それは、今。2月を記している。
「今日は、15日。…日曜日」
「ふーん…。」
「…………………。」
一体…何を探ろうとしているのか。
いつまで経っても、ゆらゆらとした視線がそれから逸れることはない。
「今日は…、『2月15日』。日曜日なんだよね。……日曜日……。…えっと、今日は『2月1日』だから…明日は…」
「……?田迎。今日は【15日】だって」
「……あ、そうだっけ…」
カレンダーの【15】を指差すと、ようやく納得したかのように頷いた。
「うん。じゃあ、田迎。3日の節分に、ウチの部室に豆ばらまいて叱られたってのは誰だったでしょう?」
今度は【3】を指差しながら、敢えて明るく努める。
「あ。それは、私だ。絶対私。情報早いね。そうそう、監督がそれ踏んでコケたんだよね『お前引退しただろ』って顔真っ赤にして。…後から梅ちゃんに散々叱られた」
「うん、そう。…その話さ、昨日…、…いや、何でもない」
彼女は不思議そうに首を傾げて…、けれどさほど気にもならないのか、その数秒後には半ば興奮ぎみに…自分の身に起きた、事故の経過を…カレンダーをなぞるように見ながら、語り始めた。