記憶
「大丈夫だ。裕梨は助かる。信じよう。
あの場に君がいてくれて、君が救急車を呼んでくれたんだろ?君のおかげで、まだ、裕梨は、頑張ることができているんだ。」
おじさんは、そう優しく言ってくれた。

「ユー?ユーがなんか言ってる‼︎」
海梨がそう言って裕梨のそばに駆け寄った。
「……………よ。こ……と…………せに…て」俺たちには聞こえなかった。
海梨だけが、頷いていた。
そして、

ピーーーーーーーーーーーーーー
機械音がなった。
裕梨の心臓が止まった音だ…。
裕梨は死んだんだ。
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