きみと駆けるアイディールワールド―緑風の章、セーブポイントから―
○蒼き狼の美形兄弟?
定型パターンなんだけど、最初のバトルを突破すると、直後にステージガイドが登場する。目の前の空間が、ぼわぁぁぁん、と効果音を立てて歪んだ。ステージガイドのホログラムが像を結び始める。
蒼い姿だ。
「狼系の獣人ですかね?」
ホログラムがだんだんハッキリしてくる。うん、狼だ。2本足で立った、人間寄りのデザイン。尖った耳、口元からのぞく牙。蒼いふさふさの毛並みは、灰色の斑が交じってて渋い。そんでもって、めっちゃイケメンなオジサマだ。
半獣身の美形オジサマがアタシたちを見た。蒼い目がキレイだ。
「よく来てくれた、異世界の戦士たちよ」
重低音なイケメンボイス! テンション上がる! 爽やかで優しいおにいさんキャラもいいけど、威厳と包容力に満ち満ちたカッチョいいオジサマもすごい好き。
オジサマのセリフが止まってる。続きのセリフはボタンを押せば聞けるんだけど、パーティでいちばん下っ端のアタシがボタン押すのもアレだよね。って思ってたら、ニコルさんが気を利かせてくれた。
「ボクがリーダー役でもいいかな? 会話の主導権とか、運営さんとの連絡とか、ボクが引き受けようか?」
「助かります!」
「任せるわ」
ニコルさんのユーザさんがボタンを押してくれたらしい。半獣身のオジサマがセリフを再開する。
「我が名はチンギス。蒼狼《そうろう》族の長にして、このサロール・タルの王だ。異世界の戦士たちよ、オヌシらに我が覇業を手伝ってもらいたい。まずは、ここより東にある我が軍営を訪ねよ。狼煙《のろし》を上げておる。それを目印に進むがよい」
言い終わると、チンギスさんのホログラムが消えた。ニコルさんが楽しそうに、くすくす笑う。その笑い声、好きだなぁ。
蒼い姿だ。
「狼系の獣人ですかね?」
ホログラムがだんだんハッキリしてくる。うん、狼だ。2本足で立った、人間寄りのデザイン。尖った耳、口元からのぞく牙。蒼いふさふさの毛並みは、灰色の斑が交じってて渋い。そんでもって、めっちゃイケメンなオジサマだ。
半獣身の美形オジサマがアタシたちを見た。蒼い目がキレイだ。
「よく来てくれた、異世界の戦士たちよ」
重低音なイケメンボイス! テンション上がる! 爽やかで優しいおにいさんキャラもいいけど、威厳と包容力に満ち満ちたカッチョいいオジサマもすごい好き。
オジサマのセリフが止まってる。続きのセリフはボタンを押せば聞けるんだけど、パーティでいちばん下っ端のアタシがボタン押すのもアレだよね。って思ってたら、ニコルさんが気を利かせてくれた。
「ボクがリーダー役でもいいかな? 会話の主導権とか、運営さんとの連絡とか、ボクが引き受けようか?」
「助かります!」
「任せるわ」
ニコルさんのユーザさんがボタンを押してくれたらしい。半獣身のオジサマがセリフを再開する。
「我が名はチンギス。蒼狼《そうろう》族の長にして、このサロール・タルの王だ。異世界の戦士たちよ、オヌシらに我が覇業を手伝ってもらいたい。まずは、ここより東にある我が軍営を訪ねよ。狼煙《のろし》を上げておる。それを目印に進むがよい」
言い終わると、チンギスさんのホログラムが消えた。ニコルさんが楽しそうに、くすくす笑う。その笑い声、好きだなぁ。