貴方に出会えたから
予想は的中で先生が持ってきたのは注射器。

正直、注射は無理。

昔から泣いてしまう。

どうしよう…

勝手に手が震えてくる。

「右利き?」

「はい」

「んじゃあー、左手出して?」

え?

左手?

どうしよう

傷見られたくない。


「出して?」

俯いていると

先生はしゃがんで私と目を合わせてきた。

「採血怖い?」

頷くと大きい手が私の頭の上に乗ってきた。

「すぐ終わるよ!」

顔を上がると先生と目があった。

優しい笑顔だった。
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