貴方に出会えたから
それからうさぎさんもリスさんも熱心に私の話を聞いてくれた。

学校でのこと、体調が辛いこと。

ひとつひとつをきちんと聞いてくれた。

ひと通り話し終わった時のことだった。

「愛友ちゃんはどうしたい?」

とリスさんが真剣な顔つきで聞いてきた。


「私は…もう生きるのをやめたい。」

う「なんで?」

「皆、私のこと利用してただけだった。本当に必要としてくれてる人なんていない」

り「そう思うのはまだ早いようだぞ?」

「え?」

う「貴女を求めている人はまだいるってこと」


「だ…れ…?」


り「知りたいなら生きろ。でも知らないで諦めてもいいなら今すぐこのバナナを食べろ。ただ、後悔するって分かってるんだったらこっちの桃を食べろ。」

う「どうする?」

「桃を頂戴?」

り「流石。よし、またなんかあったら呼ぶからな。」

う「遊びに来てね!」


「ありがとう!」

そう言って桃をかじった途端、めまいがして意識が飛んだ。
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