ボクボッチ
「こんな寒い中走って、汗かいて、また冷えるなんて」
まだ走ってる奴らからしたら、
「風邪のもとだよ、fullになるよ、full。」
「おいおい、、、ま、持久走してインフルエンザは辛えよなぁ」
こいつの余裕さは相当うざいだろうなあ。
自分も運動が苦手な訳じゃあないけど、こいつの体力は“底なし"だと思う。
こいつ、つまり、如月 遊助は、運動神経抜群な上にイケメン高身長という、まあ女子の理想を集めたみたいな人間で。
とにかく、モテる、モテる。
僕も身長は高いから、2人でいると目立つようだ。
「お前はただ走るだけで、愛をぶつけられるからなあ、そりゃ疲れないよ、ラブパワーみたいな感じで。」
ジャージをまくりながら、遊助が笑う
「はぁっ?はは、お前だってヘタレな性格なしなら、滅茶苦茶モテるくせによう」
、、、ヘタレなんかじゃない、僕は慎重派なんだよ。うん。
「ヘタレじゃなっ、、────、」
僕の声は、授業終了のチャイムにかき消されてしまった。