冬は心が「寒い」と嘆く。
冷たい風が吹き荒ぶ寒い冬。

独り身の私には、街を歩くことだけでなく暖房をつけた家にいる時でさえも、寒さを感じさせる。

こんな季節は暖房器具の人工的な暖かみも恋しくなるけれど、本当に私が求めているのはそれではない。


私が心から欲しているのは、“人に触れた時のぬくもり”だ。


あの適度な温度が心地よいと思うから。

加えて、十畳の1DKのマンションの一室に一人で暮らす私は、帰宅する度に“一人”ということを実感して正直寂しくなってしまうからでもある。



「こんな時、誰かが隣にいてくれたら、寂しくもないし寒くもないんじゃないのかなあ……なんて」



そんな都合のいいことを考えては、こたつに入りテレビを見つつ一人妄想に耽る。



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