ハロー、マイファーストレディ!
白飯に味噌汁。
肉じゃがらしい煮物と、菜っ葉のお浸し。
漂ってきた出汁の香りから連想したとおり、今日のメニューは和食だった。
意外と、きちんとしているな。
俺は料理をしないので、詳しくは分からないが、並べられた料理からは、丁寧に手を掛けて作られた印象を受ける。
料理の彩りや盛りつけも綺麗で、食欲がそそられる。
まともな家庭料理、しかも和食を前にするのは、いつ振りだろうか。
本宅にいた頃は家政婦が食事を作ってくれたため、それなりにきちんとした食生活を送っていたと思う。
ここへ移り住んでからは、コンビニ弁当やインスタントで済ますことが多くなった。
たまに俺を心配した大川の妻の美佐枝さんに料理を作ってもらっていたものの、それも月に数回のことだった。
そして、美佐枝さんは若い俺に気を遣ったのか、メニューはハンバーグやグラタンなどの洋食が多かったように思う。
特に文句や要望など言ったことはなかったが、実は、俺は和食党だ。
この出汁の香りには、特に弱い。