ハロー、マイファーストレディ!

彼女の濡れた唇に。
白い首筋に。
はだけたブラウスの隙間から覗く胸元に。
噛みつくようなキスを繰り返す。

どれだけ激しく感情をぶつけても、一向に俺の苛立ちは消えなくて。
それどころか、胸が締め付けられるように、苦しかった。
キスを止めたら、今すぐ吐きそうだ。

されるがままになっている真依子は、すでに息が上がり、目は虚ろに俺を見つめていた。
その姿に、いとも簡単に俺は欲情させられる。

ブラウスのボタンを外して、隙間から手を差し入れる。
唇にキスをしたまま、夢中で彼女の柔らかい胸を探った。

真依子は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに覚悟を決めたように静かに瞼を閉じた。
それは、単なる諦めか、それともゴーサインだったのか。
ゆっくり、丁寧に手を動かせば、わずかに開いた口からは、時折微かに艶めかしい息が漏れる。
その息は、やがてはっきりとした喘ぎに変わった。

おそらく、まだ誰も見たこともないであろう彼女の乱れた姿。
それを手にして、ようやく俺の中の苛立ちが小さくなっていくのを感じた。
そして、俺は徐々に冷静さを取り戻す。

先ほどまでの苛立ちや胸の痛みは何なのか。
冷静になれば、そんな疑問は考えるまでもなかった。



執着心。
独占欲。
嫉妬。

一人の女に対して、俺がそんなものを抱く日が来ようとは。
おそらく誰も、さすがの透ですら、想像していなかったに違いない。
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