ハロー、マイファーストレディ!
「今日は、早めに上がるぞ。」
「はいはい、じゃあ、俺も今日は仕事持って帰ろうかな。」
切りの良いところまで作業を終えた透に宣言すると、透は天井を見上げてぐっと背伸びしながら答えた。
「新婚なのに、仕事を家に持ち込むなよ。」
「仕方ないだろう?誰かさんが次から次へと仕事を作るんだから。」
したり顔で注意をしてみれば、敏腕秘書は面倒くさそうに口答えをする。でも、その目は笑っていた。
「そうじゃないと、退屈しのぎにもならないくせに。今日は早く帰ったところで、新妻は留守のようだから、せいぜい仕事に励めよ。」
「知ってるよ。真依子ちゃんの衣装選びに付き合ってくるって、朝言ってたから。征太郎こそ、もう帰って二人に合流すれば?」
「それが、俺はどうやら邪魔者らしい。何のこだわりかさっぱり理解できんが、当日まで花嫁姿は見たらダメなんだと。」
「ファーストミートだろ?海外じゃ常識らしいな。それも、朝聞かされた。」
「式は神社で挙げるのに、海外の常識は通じるのか?」
「悪いな、多分うちの奥さんが張り切ってるだけだと思う。」
少しだけ申し訳なさそうな表情を見せておきながら、すぐに透の顔にニヤニヤといやらしい笑みが浮かんだ。
「で、征太郎クンは、仕事切り上げてこっそり覗きに行く訳だ。どんだけ、溺愛してるんだか。」
「いや、誰が覗き見などするか。終わった頃に迎えに行く予定だ。」
「どっちにしろ、溺愛してるのに変わりないな。」
「仕方ないだろう?そうでもしないと、真依子はあのオンボロアパートに永遠に住み続けそうだ。いくら言っても、一向に引っ越しする気がないんだから。」
お手上げだと言わんばかりに軽く天を仰ぐ。このところ、ずっと電話で説得しているにも関わらず、真依子は引っ越しを拒んでいた。あのアパートのセキュリティの甘さに、俺は気が気ではないというのに、本人はまるで自覚がない。
「はいはい、じゃあ、俺も今日は仕事持って帰ろうかな。」
切りの良いところまで作業を終えた透に宣言すると、透は天井を見上げてぐっと背伸びしながら答えた。
「新婚なのに、仕事を家に持ち込むなよ。」
「仕方ないだろう?誰かさんが次から次へと仕事を作るんだから。」
したり顔で注意をしてみれば、敏腕秘書は面倒くさそうに口答えをする。でも、その目は笑っていた。
「そうじゃないと、退屈しのぎにもならないくせに。今日は早く帰ったところで、新妻は留守のようだから、せいぜい仕事に励めよ。」
「知ってるよ。真依子ちゃんの衣装選びに付き合ってくるって、朝言ってたから。征太郎こそ、もう帰って二人に合流すれば?」
「それが、俺はどうやら邪魔者らしい。何のこだわりかさっぱり理解できんが、当日まで花嫁姿は見たらダメなんだと。」
「ファーストミートだろ?海外じゃ常識らしいな。それも、朝聞かされた。」
「式は神社で挙げるのに、海外の常識は通じるのか?」
「悪いな、多分うちの奥さんが張り切ってるだけだと思う。」
少しだけ申し訳なさそうな表情を見せておきながら、すぐに透の顔にニヤニヤといやらしい笑みが浮かんだ。
「で、征太郎クンは、仕事切り上げてこっそり覗きに行く訳だ。どんだけ、溺愛してるんだか。」
「いや、誰が覗き見などするか。終わった頃に迎えに行く予定だ。」
「どっちにしろ、溺愛してるのに変わりないな。」
「仕方ないだろう?そうでもしないと、真依子はあのオンボロアパートに永遠に住み続けそうだ。いくら言っても、一向に引っ越しする気がないんだから。」
お手上げだと言わんばかりに軽く天を仰ぐ。このところ、ずっと電話で説得しているにも関わらず、真依子は引っ越しを拒んでいた。あのアパートのセキュリティの甘さに、俺は気が気ではないというのに、本人はまるで自覚がない。