恋愛優遇は穏便に
朝礼は滞りなく進行して、来週行われる全体研修の話が出たくらいで終わった。
受注発注業務もとくに急ぎの仕事はなく、淡々とこなしていった。
順調に進んでいく木曜日の午後だった。
「あ、これ、北野さんに頼まれてたんだった」
高清水さんが手にしていたのは一通の手紙だった。
ちょうど仕事も片付いて掃除でもしようかなと思っていた矢先だった。
「申し訳ないんですが、手紙に出しに行ってもらってもいいですか?」
「わかりました」
午後3時くらいになってビルの外に出ると、営業先をまわっているんだろうサラリーマンの姿や駅周辺で買い物をしていた人たちで歩道の交通量は多めだった。
向かいのビルにポストがあったので、通りを渡り、ポストに手紙を出したときだった。
「おや、むつみチャンじゃないか」
聞きなれた声が後ろからした。振り向くと、深緑のスーツを着た政義さんだった。
「政義さん……」
「こんなところで出会えるなんてね」
「え、ええ」
私の顔をみると、政義さんは嬉しそうに笑いを浮かべていた。
「会社のお使いだね」
私は静かに頷いた。
「政義さんは?」
「ボクは仕事の関係でちょっと回っててね」
政義さんは照れながらも私をじろじろと見定めていた。
受注発注業務もとくに急ぎの仕事はなく、淡々とこなしていった。
順調に進んでいく木曜日の午後だった。
「あ、これ、北野さんに頼まれてたんだった」
高清水さんが手にしていたのは一通の手紙だった。
ちょうど仕事も片付いて掃除でもしようかなと思っていた矢先だった。
「申し訳ないんですが、手紙に出しに行ってもらってもいいですか?」
「わかりました」
午後3時くらいになってビルの外に出ると、営業先をまわっているんだろうサラリーマンの姿や駅周辺で買い物をしていた人たちで歩道の交通量は多めだった。
向かいのビルにポストがあったので、通りを渡り、ポストに手紙を出したときだった。
「おや、むつみチャンじゃないか」
聞きなれた声が後ろからした。振り向くと、深緑のスーツを着た政義さんだった。
「政義さん……」
「こんなところで出会えるなんてね」
「え、ええ」
私の顔をみると、政義さんは嬉しそうに笑いを浮かべていた。
「会社のお使いだね」
私は静かに頷いた。
「政義さんは?」
「ボクは仕事の関係でちょっと回っててね」
政義さんは照れながらも私をじろじろと見定めていた。