恋愛優遇は穏便に
政義さんはずっと黙ってにこやかに笑いながらこちらを見ていたので、こちらから話をした。
「この間は、ごちそうさまでした」
「いえいえ。こちらこそ、貴重なデザート、いただいちゃったからね」
「あれは……」
「間違いってことで。お互いさま」
そういうと、政義さんはクスクスと笑ってごまかしてくれた。
「むつみチャンが制服だなんて。政宗の会社の制服なんだ。かわいいね」
「そんなこと、言わないでくださいよ」
「制服もいいな、って思ってね」
そういうと、政義さんは銀色のセルフレームを長い指先で位置を直していた。
「立ち話もなんだし、また金曜日にね」
「失礼します」
何もなかったように立ち去ったけれど、会社のビルに入った途端、力が抜けそうになった。
こんなところで政義さんに出会うなんて思いもしなかったから。
仕事の時間帯だったから気を張っていたおかげで政義さんと対等に話ができたからよかったけれど。
「この間は、ごちそうさまでした」
「いえいえ。こちらこそ、貴重なデザート、いただいちゃったからね」
「あれは……」
「間違いってことで。お互いさま」
そういうと、政義さんはクスクスと笑ってごまかしてくれた。
「むつみチャンが制服だなんて。政宗の会社の制服なんだ。かわいいね」
「そんなこと、言わないでくださいよ」
「制服もいいな、って思ってね」
そういうと、政義さんは銀色のセルフレームを長い指先で位置を直していた。
「立ち話もなんだし、また金曜日にね」
「失礼します」
何もなかったように立ち去ったけれど、会社のビルに入った途端、力が抜けそうになった。
こんなところで政義さんに出会うなんて思いもしなかったから。
仕事の時間帯だったから気を張っていたおかげで政義さんと対等に話ができたからよかったけれど。