恋愛優遇は穏便に
入り口の隅にたくさんのダンボールが山積みになっていた。
たぶん本社から各署へ渡すためのパンフレットやらん封筒やらの荷物が届けられたのだろう。
ダンボールを開けようとすると、宛名に人材派遣会社行きのダンボールが2つ置かれていた。
「あれ、このダンボール、下の階の人材派遣会社のものと混じってる」
「あ、ホントだ」
気がつけば政義さんが後ろに立っていた。
「これ、届けにいってきます」
大きなダンボールだったけれど、持ちあげてみたらそんなに重くはなかった。
往復すればどうってことはない。
持ち上げようとしたとき、政義さんがダンボールに手をかけた。
「運ぶよ」
「政義さん……」
ひょいっとダンボールを2つ重ねて持ってくれた。
「むつみチャンにこんな荷物を持って行かせるのもかわいそうだよ。こういうときに、頼りになる男でしょ」
「あ、ありがとうございます。私も一緒に行きます」
ドアを開けてダンボールを持つ政義さんの手助けをした。
外の廊下に続くドアを開けて政義さんを出させ、私もあとを追うように外へ出たときだった。
一番今、会いたくない人に出会ってしまった。
たぶん本社から各署へ渡すためのパンフレットやらん封筒やらの荷物が届けられたのだろう。
ダンボールを開けようとすると、宛名に人材派遣会社行きのダンボールが2つ置かれていた。
「あれ、このダンボール、下の階の人材派遣会社のものと混じってる」
「あ、ホントだ」
気がつけば政義さんが後ろに立っていた。
「これ、届けにいってきます」
大きなダンボールだったけれど、持ちあげてみたらそんなに重くはなかった。
往復すればどうってことはない。
持ち上げようとしたとき、政義さんがダンボールに手をかけた。
「運ぶよ」
「政義さん……」
ひょいっとダンボールを2つ重ねて持ってくれた。
「むつみチャンにこんな荷物を持って行かせるのもかわいそうだよ。こういうときに、頼りになる男でしょ」
「あ、ありがとうございます。私も一緒に行きます」
ドアを開けてダンボールを持つ政義さんの手助けをした。
外の廊下に続くドアを開けて政義さんを出させ、私もあとを追うように外へ出たときだった。
一番今、会いたくない人に出会ってしまった。