恋愛優遇は穏便に
「図星ですか、森園さん」


この流れで言わないのも無理がありそうなので、しぶしぶ答えた。


「……え、まあ」


「そっか。だから最近五十嵐くん、朝礼こないのかな」


「え」


思わず重たい頭をあげた。

それをみて、北野さんはふふ、とかわいらしく笑った。


「そのまま営業へ向かっているっていうこともあるけど」


「森園さん、ケンカでもしたんですか。話を詳しく知りたいですね」


北野さんも高清水さんもそういう話は食いついてくる。


きっとはぐらかしても話は続きそうなので答えた。


「まあ、ちょっとだけ」


「ちょっとだけ〜!?」


二人とも顔を見合わせ、黄色い声をあげる。


「これぐらいにしましょうよ。仕事しましょう」


「むつみちゃんに仕切られちゃったわね。これは営業所の忘年会飲み会のときの議題にしようかしら」


「あたしもぜひぜひ聞いてみたいところです。早いけど、忘年会の会場、決めておかないと」


「ちょ、ちょっとそんなこと言わないでくださいよ」


そういって北野さんも高清水さんも笑ってくれた。

きっと私を気遣ってくれてそういってくれたのかもしれない。
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