永遠に....
*
*
*
「先日は、本当に申し訳ございませんでした」
園長室で、園長が雛に頭を下げた
「今回ここを招いたのは、あの女の子についてお聞きしたくて‼」
「日和ちゃんですか...」
雛は先生の驚いた顔が気になってしまった
「...このお話は、ここだけのお話にして下さい」
雛は頷く
「あの子は過去のトラウマがありまして...」
「トラウマですか...」
「ここに入る前のことは覚えてないようなのです..」
「何があったのですか?」
「...あの子の両親は有名な会社の社長だったらしいのですが、会社を恨んでたモノに両親を殺されてしまいまして...」
「...ここら辺の会社だったのですか?」
「はい、ニュースにもなったのですが...」
「失礼ですが、あの子の名字は...」
「灰原です...」
「あの有名な建築会社のですか?」
雛には心当たりがあった
灰原家は新垣家の取引先だった
「はい。...事件ご存知ですか??」
「ええ。確か夜中に家で殺されたとか...」
「はい。」
「親二人殺害、子供は無事だったとか...」
「その一人が、日和ちゃんなのです」
「...」
「それだけならまだ...」
「どうしたのですか??」
「真実はわからないのですが、もしかしたら日和ちゃんは...」
園長は一息した
「ご両親の殺害現場を見てしまったのではないかと...」
「えっ!?でも、覚えてないと...」
「もちろん、覚えてないです...毎晩事件があったとされる時刻に、泣き叫ぶのです...」
「...」
「お母さんを放して...と...」
雛は鳥肌が立った
「朝にどんな夢見たか聞くと、覚えてないと言うのです...毎日同じ夢を見ているのに...」
園長の目から涙が溢れた
「もともとは笑顔が可愛い子だったそうです。両親・弟さんの顔が思い出せないらしく...独りぼっちになってしまったのが...下を向いて心を開かなくなってしまったのだと思います...」
「彼女を引き取る親族はいなかったのですか??」
「最初は弟さんと一緒に引き取られたらしいのですが、弟さんの前以外は今のままだったらしいので、接し方がわからないと日和ちゃんだけここに...」
「...」
「お子様が毎日日和ちゃんに会いに来てくださって話しかけてくれたお陰で、日和ちゃんは少し話してくださるようになりました」
「いえ、彼は...」
「クッキーも、作っているときにお子様にあげたいって...」
「...」
「私達の勝手な判断で、あんなことになってしまって...申し訳ございません」
園長は頭を下げた
「いえ、私もあの子がこんな行動とるとは思ってなかったので、ついカッとなってしまいまして...」
雛は頭を下げた
「彼女が私に泣きながら謝っていたとき、先生の顔がビックリしていたので、気になってしまって...」
「そうだったのですね。日和ちゃんが泣いたり話したりしていることに、ビックリしたと言ってました。あの日から日和ちゃん、お子様に謝りたいと言っていましたよ。彼女は少しずつ、心を開いてくれてます。毎日通って話しかけてくれたお陰だと思います。ありがとうございます」
「...ありがとうございました」
雛は謎が全て解けた感じがした
「彼女の話しは、内密にお願いします」
「大丈夫です」
雛は園長室を後にした
「慎司様には、彼女のことを忘れて頂かなくては...」
雛は施設を後にした
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「先日は、本当に申し訳ございませんでした」
園長室で、園長が雛に頭を下げた
「今回ここを招いたのは、あの女の子についてお聞きしたくて‼」
「日和ちゃんですか...」
雛は先生の驚いた顔が気になってしまった
「...このお話は、ここだけのお話にして下さい」
雛は頷く
「あの子は過去のトラウマがありまして...」
「トラウマですか...」
「ここに入る前のことは覚えてないようなのです..」
「何があったのですか?」
「...あの子の両親は有名な会社の社長だったらしいのですが、会社を恨んでたモノに両親を殺されてしまいまして...」
「...ここら辺の会社だったのですか?」
「はい、ニュースにもなったのですが...」
「失礼ですが、あの子の名字は...」
「灰原です...」
「あの有名な建築会社のですか?」
雛には心当たりがあった
灰原家は新垣家の取引先だった
「はい。...事件ご存知ですか??」
「ええ。確か夜中に家で殺されたとか...」
「はい。」
「親二人殺害、子供は無事だったとか...」
「その一人が、日和ちゃんなのです」
「...」
「それだけならまだ...」
「どうしたのですか??」
「真実はわからないのですが、もしかしたら日和ちゃんは...」
園長は一息した
「ご両親の殺害現場を見てしまったのではないかと...」
「えっ!?でも、覚えてないと...」
「もちろん、覚えてないです...毎晩事件があったとされる時刻に、泣き叫ぶのです...」
「...」
「お母さんを放して...と...」
雛は鳥肌が立った
「朝にどんな夢見たか聞くと、覚えてないと言うのです...毎日同じ夢を見ているのに...」
園長の目から涙が溢れた
「もともとは笑顔が可愛い子だったそうです。両親・弟さんの顔が思い出せないらしく...独りぼっちになってしまったのが...下を向いて心を開かなくなってしまったのだと思います...」
「彼女を引き取る親族はいなかったのですか??」
「最初は弟さんと一緒に引き取られたらしいのですが、弟さんの前以外は今のままだったらしいので、接し方がわからないと日和ちゃんだけここに...」
「...」
「お子様が毎日日和ちゃんに会いに来てくださって話しかけてくれたお陰で、日和ちゃんは少し話してくださるようになりました」
「いえ、彼は...」
「クッキーも、作っているときにお子様にあげたいって...」
「...」
「私達の勝手な判断で、あんなことになってしまって...申し訳ございません」
園長は頭を下げた
「いえ、私もあの子がこんな行動とるとは思ってなかったので、ついカッとなってしまいまして...」
雛は頭を下げた
「彼女が私に泣きながら謝っていたとき、先生の顔がビックリしていたので、気になってしまって...」
「そうだったのですね。日和ちゃんが泣いたり話したりしていることに、ビックリしたと言ってました。あの日から日和ちゃん、お子様に謝りたいと言っていましたよ。彼女は少しずつ、心を開いてくれてます。毎日通って話しかけてくれたお陰だと思います。ありがとうございます」
「...ありがとうございました」
雛は謎が全て解けた感じがした
「彼女の話しは、内密にお願いします」
「大丈夫です」
雛は園長室を後にした
「慎司様には、彼女のことを忘れて頂かなくては...」
雛は施設を後にした