永遠に....
*

*

*

「お待ちしておりました。新垣さん」

主人は施設にアポを取り、一人で出向いた

「少しだけあなたと話したいのですが」

「はい、では園長室へどうぞ」

主人と園長は園長室へ向かった

「あなたが慎司君のお父様ですか。慎司君にはとてもお世話になってまして」

「あの子...日和は何故ここにいるのですか?」

「...」

「あの子の親族も子供一人育てられない環境ではないはずです」

「...日和ちゃんの親族を...?」

「あの子の父親は、私の親友でした。事件があって、子供二人は親族が引き取ったと聞きましたが...」

「そうでしたか。私たちが聞いた理由は、彼女はここへ来たとき、下を向き何も話さない子でした。夜中3時頃、毎日泣き叫びます。そのせいで、引き取ったかたは精神的参ってしまったらしく...」

「彼女は事件のことを?」

「覚えてないと思います」

「...今でも泣き叫ぶのですか?」

「はい...」

「...」

「慎司君のお陰で元気になってくれたのですが、夜中は...」

「....」

「日和ちゃんに会ってみますか?」

「是非」

園長は先生に電話をして、日和を連れてきてもらった

扉が開いたとき、主人は驚いた

日和は父親似

親友そっくりだったのだ

「こんにちは...」

日和は恥ずかしそうに挨拶をした

「慎司君のお父さんだよ」

横にいた先生が言った

「慎司君の!?」

日和は顔をあげた

「こんにちは。慎司と仲良くしてくれてありがと」

主人は日和に近づいた

日和は先生の後ろに隠れてしまった

「ここの者しか会ったことないので、恥ずかしいのですかね」

園長は笑った

「君は慎司が好きかね?」

日和は小さく頷いた

「そうか...」

主人は少し顔がほころんだ

「来てくれてありがとう。園長さん、もう少しお話いいですか?」

「...はい」

先生は日和をつれて、外へ出ていった

「あの子についてですが...」

主人と先生は真剣に話始めた
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