スノーパレード
その日から、急激に仲良くなり始めたあたしと珊汰。
珊汰とは家の方向も同じで帰りも一緒に帰っていたし
席替えで隣になった時は廊下に立たされる程、二人ではしゃいでた。
楽しくて、幸せで。
あたしは日を追うごとに珊汰が大好きになった。
会う度に惹かれて、もう止められなくて。
だから、あの日。
夢を見てるんじゃないのかな、そう本気で自分を疑った。
「俺、雪乃の事好きだ。」
――真っ白に彩られた銀世界。
一歩足を踏み出せば
サクサクと雪が鳴いて
いつの間にか繋がれていた手と手。
「…あっ、あたしも!」
甘酸っぱい、この感情。
マフラーを鼻先まで上げた珊汰が顔を真っ赤にしていたのを
今でも鮮明に覚えてる。
珊汰の16歳の誕生日、前日。
あれから、二人は始まったんだよね。