スノーパレード
幾度となく繰り返される季節の中で、あたしと珊汰はたくさんの同じ思い出を持ってる。
なのに……、何で?
――「別れる。」
今、目の前に居る珊汰は確かにそう言った。
二人で過ごした約2年間の月日の中で
初めて珊汰が口にした言葉。
「……別れ…る?」
その言葉の意味が
まだよく理解出来ないあたし。
ガランとした教室に
虚しくあたしの言葉が宙を彷徨う。
「…だって、雪乃は俺と結婚したくないんでしょ?」
「ち、違うよ!」
違う、そうじゃない。
あたし達はまだ、子供でまだ、進むべき道すら親に頼らなきゃ生きていけない年齢。
だからこそ、ちゃんと自立してからでも遅くはないでしょ?
今、結婚するべきじゃない事
珊汰だってわかってるはずだよね?